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2011/7/23-8/14

本多裕紀個展「今度生まれて来る時も、また」

卒展セレクション2010長期サポート作家
本多裕紀個展「今度生まれて来る時も、また」

 

 

 

2011年7月23日(土)~8月14日(日)
会場 金沢アートグミ
10:00~18:00 入場無料 水曜定休
主催 金沢アートグミ


ハスは泥沼から、穢れ無き花を咲かせる。

その姿から、泥沼を現世、ハスの上を極楽浄土とする考えが生まれた。

今展覧会の作品「今度生まれて来る時も、また」では、鑑賞者の頭上に、ハスの水面葉が湖面に
浮かぶように並ぶことにより、現世と来世の境界としての架空の水面を形成し、
その向こうに水面からたちあがるハスの花と葉によって、極楽浄土の世界を造りだす。

極楽浄土は、望んだものが簡単に手に入る世界である。
何の苦労もなく互いに分かり合える世界である。

しかし、その世界を「見上げる」とはどういうことなのか。
私たちの立つ、その場所は、水面の下は、つまりどういう場所なのか。
なぜ、理想の地ではなく、この場所に、またわざわざ立たされているのか。

そして、その極楽浄土という理想の地は、一体何が、生み出したのか。

ほとんどの人が、一度は願った世界なのではないだろうか。
一生分かり合えず、ずっと誤解で傷つけあう、現世の人間の希望が生み出した世界。
その希望はつまり、相手を想うが故であり、優しさである。

つまりは、極楽浄土にハスの花を咲かせたのは、泥沼としての、この世界の栄養素。
目に見えないだけで、この世界に形作れないだけで、
この世界には、そんな気持ちが溢れている。

「完璧な失われぬ世界」は、全てが揃い、表出し、だがそれ故ただそこにあるだけで、
「不完全な壊れゆく世界」は、補完するために潜在的な美をもち、だからこそ美しく。

本多裕紀

 

▊作家略歴 http://www.hondayuki.jp/
1987年 石川県羽咋市出身
2010年 金沢美術工芸大学油画専攻卒業
「純粋経験」をキーワードに、美術を「瞬間的かつ多義的な外界認識の方法」と
とらえ、多様な素材で制作活動を行う。現在、金沢市在住。

▊関連イベント
オープニングレセプション
7月23日(土)19時 参加費500円

 

宮内優里 + number0 ライブ
8月13日(土)開演19時 2000円(+1drink )
定員50名 要予約

「今度生まれてくる時も、また」の展示会場内でライブを行います。
ご予約はお電話076-225-7780又はメールinfo@artgummi.comにて金沢アートグミまでお申込みください。

 

miyauchi yuri
音楽家。1983年、和太鼓奏者の父と、ジャズシンガーの母のもとに生まれる。『parcage』(2006年)、『farcus』(2007年)、『toparch』(2010年)をRallye Labelよりリリース。ライブではアコースティックギターを中心に様々な楽器の音をその場でサンプリングし、たった一人で演奏する”音の実験室”ともいうべき空間を表現。自身の活動以外では、pupa のリミックス作品への参加、TYTYT (高橋幸宏+宮内優里+高野寛+権藤知彦)としてDe La FANTASIA 2010、TOKYO M.A.P.Sに出演、海外アーティストi am robot and proudとのライブ/作品でのコラボレーションや映画への楽曲提供等、現在その活動の幅を広げている。7月20日には高橋幸宏、原田知世、星野源らをゲストに迎えたニューアルバム『ワーキングホリデー』をリリース。

number0
吉津卓保、小林良穂、藤井保文、青葉聡希の4人組。2007年、Rallye Labelより6曲入りのデビューEP「sero」をリリース。シガーロスやムーム、アルバムリーフといった海外のバンドともリンクする高い音楽性、楽器に縛られない自由なアレンジとパフォーマンス、映像を使ったステージ演出も話題となり、2010年にはUKの人気バンド、Kyteと共に東名阪ツアーを敢行。また、メンバーの藤井は映像作家としてKyte(“Eyes Lose Thier Fire”)やフランスのA Red Season Shade(“Oimiakon”)のプロモーション・ビデオを手掛ける他、ファッション・ブランドSUPPORT SURFACEの東京コレクションでもパフォーマンスを披露し、国内外から高い評価を獲得している。