開催終了|Past

10/30-11/14

【終了】[ほふる園 HOHURU-SONO]植松ゆりか(副構成:川松康徳)

各地に点在するオルタナティブスペースを繋げるネットワークプロジェクト:CUT&PASTE(*1)のキックオフ企画となる本展は、植松ゆりか(アーティスト/TANERI STUDIO副代表)の作品展示と、川松康徳(Sketch Over代表)の副構成(*2)による マエバシ ワークスもので、2021年4月にMaebashi Works(前橋)、9月にArt Spot Korin(京都)へ移動しながら展開される巡回展の最終地点として、NPO法人金沢アートグミにて開催されるものです。

植松ゆりかの作品は、裏返されたぬいぐるみにシリコン塗布された、いわば剥き出された既存物で構成されています。隠されていた内側の最も外側は、私たちの現実がいかに網膜的に正装された状態であるのかを暗示しながら、その似非の裏側にある、別のリアリティを浮かび上がらせています。それは、私たちが「ぬいぐるみ」に抱いた幼い期待、かわいさや、ゆるさ、あたたかみが行き場を失い、ゾンビのように彷徨っています。

本展では、肋骨に見立てたインスタレーションと共に、ぶら下がる「ぬいぐるみ」たちは、彷徨うゾンビがゆらゆらと 漂う独特な空間を演出します。儀式が持つ特有の昇華的な感性を、垂れ下がる布地の垂直的な力学へと誘いながら、 パーソナリティを暗示するテキストとの関連が、どこかへ向かう物語の結末を予感させています。移動するごとに 新たに構成されるインスタレーションに、テキストが新たに加わり、それぞれ別の空間が演出され、「ほふる( る)」 対象が変化していくのか、あるいは「ほふる」事自体が変化していくのか、3度の巡回でブラッシュアップされてい く展示構造をお楽しみ頂ければ幸いです。